画像はデイリースポーツより
鯉戦士の2021年シーズンをデータで振り返る!本日は鈴木誠也外野手の活躍を振り返ります。
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※二軍戦は2試合のみの出場となっているので、基本成績のみ掲載します。
選手詳細
鈴木 誠也(すずき せいや) 外野手 27歳 181cm98kg 右投右打 2012ドラフト2位
基本成績 ※前年比良化悪化
一軍:132試 435打数 138安 26二 0三 38本 88打点 104四死 9盗 88三振 打率.317 OPS1.072 WAR8.7
二軍:2試 4打数 1安 0二 0三 0本 0打点 1四死 0盗 1三振 打率.250 OPS.650 WAR0.0
寸評
説明不要の怪物スラッガーへと成長しました。前半は苦しむ場面もありましたが、後半になると手が付けられなくなり、本塁打を量産していきました。その姿は正にメジャーリーガーであり、もはや日本でプレーする選手ではありません。カープが誇るNPB最強打者が、満を持して海を渡ります。
分析(用語集はこちら)
打撃成績
Pitch Type
①FA%=36.2
②FT%=7.7
③SL%=22.4
④CT%=7.9
⑤CB%=6.4
⑥CH%=8.4
⑦SF%=8.6
⑧SI%=2.4
今季の被投球の割合です。他の選手と比べるとストレートの割合が少なく、その分スライダーの割合が多くなっています。相手バッテリーが素直にストレートを投じることを避けていることが推測されます。
Pitch Value ※前年比良化悪化
①wFA=21.3
②wFT=1.2
③wSL=16.0
④wCT=4.2
⑤wCB=4.0
⑥wCH=3.0
⑦wSF=3.8
⑧wSI=1.1
⑨wFA/C=2.57
⑩wFT/C=0.68
⑪wSL/C=3.12
⑫wCT/C=2.35
⑬wCB/C=2.76
⑭wCH/C=1.55
⑮wSF/C=1.92
⑯wSI/C=2.04
全てプラスとなりました。苦手な球種は存在せず、正に最強打者と言えるでしょう。
その中でも最も得意としているのがスライダーで、③は全体でトップの数字となっています。また、ストレートの指標も①はリーグ3位、⑨はリーグ2位となっており、得意としていることが分かります。
Plate Discipline ※前年比上昇低下
①O-Swing%=19.8
②Z-Swing%=57.7
③Swing%=35.8
④O-Contact%=57.9
⑤Z-Contact%=89.3
⑥Contact%=79.3
⑦Zone%=42.3
⑧F-Strike%=44.5
⑨SwStr%=7.4
①~③がリーグで最も低くなっており、慎重な打撃スタイルであること、ボールを見極められていることが推測されます。また、スイングをすることが少ない影響もあって空振り率は低くなっていますが、コンタクト率は規定到達者61人中38位と並の数字になっています。
Batted Ball ※前年比上昇低下
①GB/FB=0.60
②LD%=8.8
③GB%=34.1
④FB%=57.1
⑤IFFB%=10.9
⑥HR/FB=18.9
⑦IFH=4
⑧IFH%=3.3
⑨GBOut%=65.0
⑩OFOut%=70.9
⑪Pull%=40.4
⑫Cent%=40.6
⑬Oppo%=19.0
⑭Soft%=29.0
⑮Mid%=27.0
⑯Hard%=44.0
①が1を割っており、フライボールヒッターとなっています。この傾向はレギュラーに定着した2016年以降一貫しています。本塁打を量産できる要因の1つと言えるでしょう。
打球方向は、センターから引っ張り方向が多く、逆方向が少なくなっています。プルヒッターのイメージもありましたが、実際はセンター方向と引っ張り方向の割合はほぼ同じになっていました。
打球の強さに関しては、Hard%が44.0%でリーグ2位と非常に高く、強い打球を放つケースが非常に多かったことが分かります。この打球の強さが高い打率や長打率につながっていると考えられます。
Advanced ※前年比良化悪化
①PA=533
②BB%=16.3
③K%=16.5
④BB/K=0.99
⑤AVG=.317
⑥OBP=.433
⑦SLG=.639
⑧OPS=1.072
⑨ISO=.322
⑩Spd=2.6
⑪BABIP=.318
⑫UBR=-0.6
⑬wSB=0.1
⑭wRC=115.3
⑮wRAA=60.8
⑯wOBA=.462
⑰wRC+=200
最強打者に相応しい圧倒的な数字が並んでいます。⑥~⑨・⑮~⑰が全体の1位、⑤・⑭が2位、②・④がリーグの2位となっています。
まずは④ですが、三振率が極端に低いというわけではありませんが、四球率が非常に高いために、リーグ2位の数字を残すことができています。この数字が高ければ高いほど選球眼が良いと言えます。
続いては⑤~⑨ですが、この5つの指標は正に圧巻です。打率こそバファローズの吉田正尚選手に全体1位を譲ったものの、他の4つは全て1位となっています。さらに、⑦~⑨は2位との差も大きく、⑦の6割台、⑧の1.000超え、⑨の3割台は鈴木誠也外野手ただ1人となっています。OPSは1を超えると超一流選手というイメージを持たれている方も多くいるかと思いますが、鈴木誠也外野手のOPS1超えは今年が4度目となっています。現役の選手で4度OPS1超えを経験しているのはホークスの柳田選手のみでしたが、それに並ぶ形になりました。
最後に⑭~⑰ですが、⑭こそ打席数に82の差があるスワローズの村上選手に1位を譲りましたが、⑮~⑰は1位となっており、球界トップの攻撃力を誇っていることが改めて分かります。特に⑰の200という数字は、データのある2014年以降ではセ・リーグ初となっています。
この項目の数字をまとめると、鈴木誠也外野手は、圧倒的な長打力に優れた選球眼を兼ね備えた、平均的な選手の2倍得点創出能力がある怪物バッターということになります。
守備成績
Fielding ※前年比良化悪化
①Inn=1041
②ARM=4.4
③RngR=6.6
④ErrR=0.2
⑤UZR=11.2
ライトのみの出場となりました。全ての指標が良化しており、前年よりも動きが良かったことが分かります。広い守備範囲と強肩を兼ね備えており、理想的な外野手と言えるでしょう。なお、全ての指標で規定守備イニング到達者の中でリーグ1位となっています。
総合成績
Win Probability ※前年比良化悪化
①WPA=5.91
②-WPA=-7.76
③+WPA=13.67
④RE24=55.84
⑤REW=6.00
⑥pLI=1.02
⑦phLI=1.19
⑧PH=6
⑨WPA/LI=5.78
⑩Clutch=-0.17
またしても圧倒的な数字が並んでいます。WPAは全体1位、④・⑤も2位となっています。重要な場面でもしっかりと仕事を果たしていたことが改めて分かります。
Value ※前年比良化悪化
①Batting=58.1
②Base Running=-0.4
③Fielding=6.8
④Positional=-4.4
⑤Offense=57.7
⑥Defense=2.4
⑦RAR=76.2
⑧WAR=8.7
走塁は多少マイナスとなったものの、守備でそれなりにプラスを積むと打撃は全体トップの圧倒的な数字で、WARもトップとなりました。とにかく①が58.1と大きくプラスになっており、2位の村上選手に11.1の差をつけています。また、WARは自己最高となっており、最もチームに貢献したシーズンであったことが分かります。
まとめ
とにかく圧倒的な攻撃力と優れた守備能力でチームを支え続けてくれました。もちろんこれほどの選手がいなくなることはカープにとってこれまでにないほど大きなダメージとなりますが、1人の野球ファンとしてMLBでどれほどの成績を残してくれるかが楽しみでなりません。ロックアウトの影響が気になりますが、1日でも早く移籍先が決まることを願っています。
夢の赤い橋を架けろ!
誠也!!
誠也!!
データ参照
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